2005年 12月 04日
【最終節】ありがとう。obrigado |
寒風吹きすさぶ日立台で始まった、今季リーグ戦。
豪雨の等々力、熱暑のヤマハ、秋風の埼スタ。
長いような、あっという間だったような。
アウグスト退団の悲報に接し、ハイタッチセレモニーへの参加を決意。
朝7時起床。窓の外は、冷たい雨。
アウグストTシャツの上から、スキー用インナー、薄手フリース、
レプリカユニ#4を着込み、人影もまばらな道を等々力へと向かう。
午前8時半、等々力着。薄々予想はしていたものの、
すでに整理券配布所前は長蛇の列。
なんとか無事整理券を入手するも、この数分後に配布は終了した模様。
開門までまだ時間もあり、朝食もまだだったので、
暖とメシを求めてファミレスを探索。
が、緑地公園内のサイゼリア等々、全て11時から営業。
結局、アズネロ近くのモスバーガーまで戻り、食事。
店内には、4組ほどの客がいたが、全て川崎サポ。
モスチーズバーガーを食べながら窓の外を見ていると、
水色のマフラーを巻いた人々が、何人も足早に歩いていく。
今日はいつも以上に出足が早いようだ。
遅れてはならじと、そそくさと食い終えて、再び等々力へ。
道すがら、ガンバサポ数名とすれ違う。
アウェイツアーバスが早く到着したため、近所を散策している様子だった。
午前10時半、等々力に到着。ここも長蛇の列。
長々と続く行列はバクスタ裏手で折り返し、最後尾は7番ゲート付近。
広島戦、浦和戦をしのぐ熱気。
午前11時過ぎ、入場。コンコースを早足で駆け抜け、Gゾーンへ向かうと、
すでに多くの席が荷物で埋まっていた。
やはり今日はいつもとは違う。
相馬へのお別れダンマクも登場。
11時半過ぎ、ガンバサポ入場。
アウェイゴール裏2階は、通常の3分の2ほどのスペースに狭められていた。
MDPの選手コメントを読んでせつない気持ちになりつつ、試合開始を待つ。
午後2時キックオフ。
相手ゴール右斜め前でファウルをもらった瞬間、
川崎サポ全員が、同じ願いを込めてピッチをみつめたことと思う(写真提供S氏)。
まったく根拠はないのだが、今日は「逆転勝ち」が見れるような気がしていた。
なので、先制されても突き放されても、追加点を奪われても、
くじけることなく声援し続けられたと思う。
願わくば、来季こそ逆転勝ちを等々力で。
優勝にわく、ガンバの選手たち。
くやしい気持ち。終わったという、脱力感。
歓喜のガンバ選手とガンバサポを、脳裏に焼き付ける。
何年かかるかわからないけど、いつか必ず川崎も。
試合後、ガンバサポから、フロンターレコール、
相馬コール、ベティコールがまきおこる。
脱帽。「負けたな」と心の中でつぶやきながら、拍手で応える。
午後4時40分、ハイタッチセレモニー開始。
等々力のトラックに足を踏み入れるのは、もちろんこれが初めて。
アンツーカーを踏みしめながら、バックスタンドを見上げる。
満員のスタンドに、圧倒されそうに。
選手たちは、いつもこんな視点で等々力を見ているんだな。
等々力のピッチを間近で見る。、
一年間の激闘を物語るように、芝はところどころはげ、
地肌が顔をのぞかせていた。
選手入場。背番号順に、ピッチを横切ってバクスタ前のステージへ。
巌、おつかれさま。弾丸ミドル、忘れないよ。
ジュニ、マルクス、来年もよろしく。
周平の顔に浮かぶのは、1年を通してプレイ出来たという安堵の表情だろうか。
ヨンデの返却は非常に残念。正確なフィードを武器に、最終ラインを統率してくれた。
常にサポを大事にしてくれた。ありがとう。
飯尾は無念だろうが、おれも無念だ。
選手挨拶。
オーロラビジョンで見た限り、
去りゆく選手以外にも目を赤く腫らしている選手が居た。
鬼木と都倉。どんな思いで、3人の後ろ姿を見ていたのだろう。
挨拶終了。選手たちを待ちわびる。
ハイタッチ開始。まずは、ベティ・相馬・アウグストをのぞく選手たちが、
サポーターと挨拶をかわしていく。
ヤスおつかれさま。来季もよろしく。
一人ひとりとタッチをかわしながら、
「おつかれさまでした」と声をかける。
「やりとげた」という充実の表情を浮かべる選手もいれば、
サバサバとした表情の選手も。それぞれの思いを胸に。
一番辛そうな顔をしていたのは、匠だった。
こっちも辛かったから、余計にそう見えたのだと思う。
順調にいけば、数年後には今日のベティのように
万雷の拍手のもと、送り出されてしかるべき生え抜き選手だった。
「匠、ありがとう」と声をかけるのが、精一杯だった。
いつか、どこかのスタジアムで。必ず。
いよいよ、「3人」とタッチを交わす瞬間が迫る。
できれば、来て欲しくないお別れの瞬間。
川崎の選手は、全員好きだ。全員を、等しく応援している。
が、アウグストは特別だった。
アウグストがいなければ、もしかしたらおれは川崎サポになっていなかったかも知れない。
目を閉じれば、アウグストがくれた様々なシーンが目に浮かぶ。
湘南戦、広島戦、浦和戦などでの、ビューティフルなFK。
左サイドをかけあがる、重戦車のようなドリブル。
ゴール後に捧げる、神への祈り。
サポーターソングに合わせて、小刻みにダンスする姿。
数々のシーンの中で、一つだけを選べと言われたら、
03年最終節広島戦後の、アウグストの姿を選ぶ。
昇格の夢を絶たれた中、アウグストはサポーターたちに丁寧に挨拶し、
来年こそはと勇気付けるように、胸を叩いて鼓舞してくれた。
「サポーターたちには、いつも勇気づけられた」とアウグストは言っていたけども、
とんでもない。あなたの姿に、どれだけ勇気づけられたことか。
そのアウグストが、目の前にいる。
「ありがとう」、の声が、震える。
アウグストは最初涙目の笑顔で応え、
レプリカに刻まれた「4」の番号に気づくと、
おれの肩に手を回し、抱き寄せて、ハッキリとした日本語でこう言った。
「ずっと忘れないヨ」
人目をはばからず、泣いた。
「J1残留」を成し遂げ、05年シーズンは終わった。
何名かの選手たちは、青黒のユニフォームを脱ぎ、
多大なる功績と、鮮烈な印象と記憶を残して、去っていった。
来年も、厳しい戦いになるだろう。
偉大なる先人たちに恥じぬように、青黒のユニを身にまとい、
来年も再来年も、戦っていこう。
豪雨の等々力、熱暑のヤマハ、秋風の埼スタ。
長いような、あっという間だったような。
アウグスト退団の悲報に接し、ハイタッチセレモニーへの参加を決意。
朝7時起床。窓の外は、冷たい雨。
アウグストTシャツの上から、スキー用インナー、薄手フリース、
レプリカユニ#4を着込み、人影もまばらな道を等々力へと向かう。
午前8時半、等々力着。薄々予想はしていたものの、
すでに整理券配布所前は長蛇の列。
なんとか無事整理券を入手するも、この数分後に配布は終了した模様。
開門までまだ時間もあり、朝食もまだだったので、
暖とメシを求めてファミレスを探索。
が、緑地公園内のサイゼリア等々、全て11時から営業。
結局、アズネロ近くのモスバーガーまで戻り、食事。
店内には、4組ほどの客がいたが、全て川崎サポ。
モスチーズバーガーを食べながら窓の外を見ていると、
水色のマフラーを巻いた人々が、何人も足早に歩いていく。
今日はいつも以上に出足が早いようだ。
遅れてはならじと、そそくさと食い終えて、再び等々力へ。
道すがら、ガンバサポ数名とすれ違う。
アウェイツアーバスが早く到着したため、近所を散策している様子だった。
午前10時半、等々力に到着。ここも長蛇の列。
長々と続く行列はバクスタ裏手で折り返し、最後尾は7番ゲート付近。
広島戦、浦和戦をしのぐ熱気。
午前11時過ぎ、入場。コンコースを早足で駆け抜け、Gゾーンへ向かうと、
すでに多くの席が荷物で埋まっていた。
やはり今日はいつもとは違う。
相馬へのお別れダンマクも登場。
11時半過ぎ、ガンバサポ入場。
アウェイゴール裏2階は、通常の3分の2ほどのスペースに狭められていた。
MDPの選手コメントを読んでせつない気持ちになりつつ、試合開始を待つ。
午後2時キックオフ。
相手ゴール右斜め前でファウルをもらった瞬間、
川崎サポ全員が、同じ願いを込めてピッチをみつめたことと思う(写真提供S氏)。
まったく根拠はないのだが、今日は「逆転勝ち」が見れるような気がしていた。
なので、先制されても突き放されても、追加点を奪われても、
くじけることなく声援し続けられたと思う。
願わくば、来季こそ逆転勝ちを等々力で。
優勝にわく、ガンバの選手たち。
くやしい気持ち。終わったという、脱力感。
歓喜のガンバ選手とガンバサポを、脳裏に焼き付ける。
何年かかるかわからないけど、いつか必ず川崎も。
試合後、ガンバサポから、フロンターレコール、
相馬コール、ベティコールがまきおこる。
脱帽。「負けたな」と心の中でつぶやきながら、拍手で応える。
午後4時40分、ハイタッチセレモニー開始。
等々力のトラックに足を踏み入れるのは、もちろんこれが初めて。
アンツーカーを踏みしめながら、バックスタンドを見上げる。
満員のスタンドに、圧倒されそうに。
選手たちは、いつもこんな視点で等々力を見ているんだな。
等々力のピッチを間近で見る。、
一年間の激闘を物語るように、芝はところどころはげ、
地肌が顔をのぞかせていた。
選手入場。背番号順に、ピッチを横切ってバクスタ前のステージへ。
巌、おつかれさま。弾丸ミドル、忘れないよ。
ジュニ、マルクス、来年もよろしく。
周平の顔に浮かぶのは、1年を通してプレイ出来たという安堵の表情だろうか。
ヨンデの返却は非常に残念。正確なフィードを武器に、最終ラインを統率してくれた。
常にサポを大事にしてくれた。ありがとう。
飯尾は無念だろうが、おれも無念だ。
選手挨拶。
オーロラビジョンで見た限り、
去りゆく選手以外にも目を赤く腫らしている選手が居た。
鬼木と都倉。どんな思いで、3人の後ろ姿を見ていたのだろう。
挨拶終了。選手たちを待ちわびる。
ハイタッチ開始。まずは、ベティ・相馬・アウグストをのぞく選手たちが、
サポーターと挨拶をかわしていく。
ヤスおつかれさま。来季もよろしく。
一人ひとりとタッチをかわしながら、
「おつかれさまでした」と声をかける。
「やりとげた」という充実の表情を浮かべる選手もいれば、
サバサバとした表情の選手も。それぞれの思いを胸に。
一番辛そうな顔をしていたのは、匠だった。
こっちも辛かったから、余計にそう見えたのだと思う。
順調にいけば、数年後には今日のベティのように
万雷の拍手のもと、送り出されてしかるべき生え抜き選手だった。
「匠、ありがとう」と声をかけるのが、精一杯だった。
いつか、どこかのスタジアムで。必ず。
いよいよ、「3人」とタッチを交わす瞬間が迫る。
できれば、来て欲しくないお別れの瞬間。
川崎の選手は、全員好きだ。全員を、等しく応援している。
が、アウグストは特別だった。
アウグストがいなければ、もしかしたらおれは川崎サポになっていなかったかも知れない。
目を閉じれば、アウグストがくれた様々なシーンが目に浮かぶ。
湘南戦、広島戦、浦和戦などでの、ビューティフルなFK。
左サイドをかけあがる、重戦車のようなドリブル。
ゴール後に捧げる、神への祈り。
サポーターソングに合わせて、小刻みにダンスする姿。
数々のシーンの中で、一つだけを選べと言われたら、
03年最終節広島戦後の、アウグストの姿を選ぶ。
昇格の夢を絶たれた中、アウグストはサポーターたちに丁寧に挨拶し、
来年こそはと勇気付けるように、胸を叩いて鼓舞してくれた。
「サポーターたちには、いつも勇気づけられた」とアウグストは言っていたけども、
とんでもない。あなたの姿に、どれだけ勇気づけられたことか。
そのアウグストが、目の前にいる。
「ありがとう」、の声が、震える。
アウグストは最初涙目の笑顔で応え、
レプリカに刻まれた「4」の番号に気づくと、
おれの肩に手を回し、抱き寄せて、ハッキリとした日本語でこう言った。
「ずっと忘れないヨ」
人目をはばからず、泣いた。
「J1残留」を成し遂げ、05年シーズンは終わった。
何名かの選手たちは、青黒のユニフォームを脱ぎ、
多大なる功績と、鮮烈な印象と記憶を残して、去っていった。
来年も、厳しい戦いになるだろう。
偉大なる先人たちに恥じぬように、青黒のユニを身にまとい、
来年も再来年も、戦っていこう。
by kawasaki20gogo
| 2005-12-04 03:14
| ●川崎観戦記